Hole In The Wall

カリフォルニア州サンノゼ在のソフトウェアエンジニア。

世界を股にかけたスウェーデン・マフィア。

今年の初めぐらいにカリフォルニアのマリブでFerrari Enzoを自爆でまっぷたつにして全損、奇跡的に運転手(初めは同乗者と虚言)は無傷、というニュース*1があったけれど、その事件の顛末がWiredにまとめられていた。ちょっと長いけれど一読の価値有り。

Directors of the game device company went on living large long after their handheld flopped. Then a high-speed Ferrari crash blew their world to bits.

6ページも読むのはかったるいという人のためにちょっと解説。この事故を起こしたStefan Erikssonという人物、スウェーデン人なんだが同国では山口組組長のような存在だったらしい。結局警察に捕まって数年お勤めしたあと、イギリスで同国人のCarl Freerに拾われてGizmondoという携帯ゲーム会社の重役に。これがとんでもないhypeな会社で、言葉巧みに投資家から資金を集めてはそれを着服。それでも何とか製品は出来上がってイギリスで発表したものの、ニンテンドーDSPSPとは到底張り合えない出来なのが表面化、辛辣なレビューを浴びせられることに。
こんな状態でもめげないこのスウェーデン人コンビ。今度はアメリカでの発表のためにアメリカ侵入。しかしスウェーデン時代の悪行がばれそうになると発表直前にいきなり会社をやめてしまう。アメリカでの製品発表は悪夢。株価は暴落。投資家からは訴えられ、結局今年の初めに倒産することに。
この製品についてのアメリカ発表後のレビューがウェブに残っていたんでちょっと引用。全体的にぼろくそな評価だけれど、その中で気になった一節:

 ギズモンド用ゲームのうち、どことなく興味を惹かれるタイトルが1つある。『Grand Theft Auto』ふうのストリートギャングの抗争を題材にしたゲーム、『Colors』だ。ギズモンドのGPS機能を利用して、ゲームに実生活の要素を採り入れる内容になっている。

元々ギャングあがりなんで、リアリティが他のゲームより際だっていたというところだろう。
そしてこの一連の出来事のあと、例のEnzoの自爆さわぎ。全てが明らかになったあと、Erikssonは罪状認否のため保釈金300万ドルでLAに留置中。ただ仮に保釈金を払ったとしても移民局に隔離されるそう。
ちなみにFerrariで自爆の時、推定スピード194m/h(312km/h)出ていたそうで、これはカリフォルニア州のスピード違反中最速だそうである。
全てに於いてスケールが映画並にでかいというか、こんなのが実話というは結構驚きである。

*1:ここに写真・ビデオ有り。要登録