Hole In The Wall

カリフォルニア州サンノゼ在のソフトウェアエンジニア。

日本のプロダクト・ポエトリー

RSS配信が何故か遅かったんでちょっと前の記事だけど、このPingMagの記事は面白い。

日本に短期滞在するだけの人も、必ず「プロダクト・ポエトリー」に遭遇するはず。これは様々な商品に“外国語”で記された、まるで詩のような短い文章のこと。サンドイッチやビール、栄養ドリンク、お菓子、化粧品、文具、家電、Tシャツなど、あらゆる商品で目にすることができる。

前々から気になっていたこの手の不思議な外国語の文章、それをこの記事では「プロダクト・ポエトリー」と呼んでいる。素晴らしいネーミングだ。

こういった文章は客観的な製品案内でもなければ、外国人を助けるためのものでもなく、ジェームズ・スタンローが著書「ビューティフル・ヒューマン・ライフ」の中で使った言葉を借りれば、むしろ日本の消費者のためだけに作られた、外国語からインスピレーションを受けた日本語なのだそうだ。

そうそう、そうなんである。外人からすればその部分しか読めないわけで、わけわかんない度がより高いはず。日本向けの中国製品に付いているわけわからない日本語とは根本的に異なるものである。

時にスペリングミスの一つや二つはあるものの、ほとんどの「詩」はよく考え抜かれていて、単なるでたらめではない。装飾目的であれば、それらしい文章で十分なのに、どれも商品が使用される状況と気分にも関連していて、商品に対する消費者の期待や姿勢を表しているようだ。

ここには反論。でたらめ、かつ英語的に滅茶苦茶なのはよくある。これは絶対ネイティブのチェック入ってないだろうなぁとかすぐわかるヤツとか。

グラニフの東京のオフィスのスタッフにはドイツ人が一名含まれているのに、なぜかこちらのTシャツには奇妙なドイツ語が多いように思われる。そしてその他のおかしな英文も。私自身が感じたところでは、こういった少し風変わりなプロダクト・ポエトリーの書き方にこそ、その独特の魅力があるのではないだろうか。完璧ではないことが、日本人と外国人に等しく夢を与え、そこにある言葉の断片から、自分だけの物語を創る楽しみを与えてくれるものなのだろう。一方ではちょっとした情報を含む装飾的な飾りであり、もう一方では「外国語を理解する人」にとっての不完全な楽園プロダクト・ポエトリーとはそういうものなのかもしれない。

ん?それはわざとやってるといってるんだろうか?だとしたらこれを考えた人はかなり賢いかもしれない。確かに言われてみれば「如意ポット」は捨て難い魅力があるしな。ちなみに原文の英語版の方のコメントは賛否両論でかなり面白い。