Hole In The Wall

カリフォルニア州サンノゼ在のソフトウェアエンジニア。

Phoの歴史。

そんな記事が。今まで読んだ中でもこれほど突っ込んだのはなかったかも。

In our Pho Issue, we published this excerpt from Andrea Nguyen’s The Pho Cookbook, coming in 2017 from Ten Speed Press.

The History of Pho | Lucky Peach

来年出る"The Pho Cookbook"からの抜粋。ベトナムの歴史と絡んだPhoの進化が興味深い。

  • 元祖phoの由来は諸説あるけれど、ハノイの南東55マイル、"Nam Dinh"と呼ばれる農業地帯で代々作られていた麺。それにフランス領の影響(牛肉)、主たる顧客だった中国労働者の影響が加わってphoの原型ができたという説が有力。
  • 名前の由来は当時呼ばれてた“Nguu nhuc phan day” (“beef and rice noodles here”)が省略された、という説や、当時の辞書だと広東語で"flat rice noodle"を表す"phan"から、という表記もある。ただこの本だと、よく流布されているフランス語の"feu"から、というのは間違いと指摘。
  • オリジナルのphoはとてもシンプル。米粉の麺にスープ、それに薄切り牛肉。バジルやチリ・ライムも入らないし、シラチャや海鮮醤は論外。
  • 第2次大戦後のジュネーブ条約で南北ベトナムに分断されると、北から南に流れた人々によってサイゴンでphoが流行りだす。ここでいろんな具材や味付けが開花。

In the agriculturally rich and freewheeling South, pho broth developed a sweet edge as cooks added a touch of Chinese rock sugar. Southerners also liked a lot of accessories: bean sprouts, Thai basil, chili sauce, and a hoisin-like fermented bean sauce. Northerners were aghast. The new additions desecrated their well-balanced, delicate soup. To this day, the regional pho fight between Hanoi and Saigon (North versus South) rages on.

  • 南のphoが進化するのと反対に、北のphoはソビエト管轄下悲惨なことに。ソビエトから支給されるポテトスターチ(!)使用とか。しかしそこはどの国も同じ。闇市経由で正統phoがやり取りされる。
  • ベトナム戦争終結で北の支配が確立し、世界にベトナム難民が散らばることによって世界にpho(南の)が拡散。もちろんアメリカにも。まあアメリカの場合、鶏マークSrirachaが別途開発されて、無くてはならない調味料になるんだけどね。

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