Hole In The Wall

カリフォルニア州サンノゼ在のソフトウェアエンジニア。

鎮痛剤はプラセボ?

最近の研究によると、本物の鎮痛剤を使っても予備知識によってその効果が促進したり、反対に効果が現れなかったりするという報告が。

A patient's belief that a drug will not work can become a self fulfilling prophecy, according to researchers.

They showed the benefits of painkillers could be boosted or completely wiped out by manipulating expectations.

BBC News - Negative experiences can stop painkillers working

22人の被験者の足に熱を加え、痛さを1〜100のスケールで報告してもらうという実験。被験者には実験中常に点滴を施すけれど、その内容はわからないようになっている。実験開始時の平均痛さは66、その状態で強力な鎮痛剤"remifentanil"を適用。すると痛さの平均値は55に。そこで被験者に点滴の中身が鎮痛剤であることを伝えると、値はさらに下がって39に。その後点滴の内容は変えずに被験者に「鎮痛剤適用を止めた」旨を伝えると、痛さの平均値は点滴する前とほぼ同じ64へ。
この結果についてOxford大学の教授が、

"It's phenomenal, it's really cool. It's one of the best analgesics we have and the brain's influence can either vastly increase its effect, or completely remove it."

確かに予備知識が薬の効能を左右するのはわかる気がするけれど、これはちょっといいすぎな気が。そもそも痛さを数値で表現するというところに無理があるだろう。これを読んで思い出したのがこれ:
Universal Pain Assessment Tool
先日の手術の時もこれを見させられて、痛かったらこの数値を伝えるように言われたけれど、はっきり言って0〜10のスケールでも迷うのに、1〜100なんて適当もいいところだと思う。個人による絶対値の違いも大きいんで、単純に「22人の平均値を取りました」じゃあまり意味が無いんじゃなかろうか。
まあ自分の場合、鎮痛剤の副作用に関してはまったくもってプラセボではなかったけれどw。