Hole In The Wall

カリフォルニア州サンノゼ在のソフトウェアエンジニア。

ウンチを移植する話。

朝のスピニング中に聴いたKQED Science、久々おおっ!っと思ったストーリー。

抗生物質を過剰に摂り過ぎることで発生するC.Diffという病気があるらしい。年間15,000人もの人がなくなっているそうだけれど、消化器官内の悪いバクテリアが原因。

で、この病気、抗生物質を与えるのは逆効果、ということで出たアイディアが良いバクテリアを移植する方法。その方法が健康なドナーの「ウンチ」を内視鏡用チューブで移植…。(食事中の人すまん)この方法で現実にC.Diffの患者が治ったらしい。現在はC.Diffの治療にこのウンチ移植、確立された治療法になっているんだそう。

この方法ですごいと思ったのが、「ウンチ」利用というのもさることながら、今までバクテリアには抗生物質、という常識を破って目には目を、悪いバクテリアには良いバクテリアを、という発想の転換。ただし良い事ばかりではなくまだわからないことが満載らしい。人間の腸内でどんなバクテリアがどんな活動をしているのか完全に把握しきっているわけではないので、移植したバクテリア(の作る環境)が長期的にどんな影響を与えるかがよく分かってないんだそう。

この辺りはパン焼きに使うサワードウ・スターターに非常に近いものがある。いろんなバクテリアがいろんな活動をして定常状態になってる所のバランスを崩すわけだから、ある意味危険だよな。