もう一発中華料理ネタ。MSG(グルタミン酸ナトリウム)が頭痛の原因、中華を食べるとMSGで頭痛くなる、という(今となっては根拠のない)"Chinese Restaurant Syndrome"。なので一時中華料理屋はどこでも"No MSG"の表示が。
で、これの発端となったのはなんと科学雑誌への一通の手紙から、というNPRのプログラム。
これによれば50年前にRobert Ho Man Kwokという医者が"New England Journal of Medicine"という権威ある雑誌の編集長宛に"Chinese Restaurant Syndrome"と題した手紙を送り、この雑誌に掲載されたことが発端なんだそう。
更に話は紆余曲折。実はこの手紙は友人との賭けのためにでっち上げたジョークだ、と主張する元orthopedic surgeon登場。名前の"Ho Man Kwok"が"Human crock"のpunだという当時よくあった中国人名のオフェンシブジョーク、
だったというもの。雑誌に掲載されて賭けには勝ったものの、その後何度も「あれはジョーク!」と連絡しても訂正されず数十年の間アメリカ人を混乱に陥れた、という話。実際このHo Man Kwokという医師が存在したのもその信憑性を裏付ける事実。
が、もし医師が存在するならどうしてこのジョークに反駁しなかったのか…。今となっては登場人物全員亡くなってるんで確認できないが、Kwok医師の家族や友人、当時のボス等にコンタクトした所、全員揃いも揃って「あの手紙はKwok医師本人のものだ」と言ったらしい。
もう昔の話なんで真相はわからないけれど、どうもorthopedic surgeonのジョークにみんな担がれた、というのが真相かも。まあそれにしてもその手紙によって後の数十年MSGは頭痛の種、"No MSG!"という表示がまかり通ったのは真実。