80年台のエイズ蔓延、通説はカナダのゲイのパイロットが第一号、この彼が性交渉で広めた、という事になっているけれど、これが誤りであることが判明。
このコラムによれば、HIVウィルスの遺伝子を調べた結果、アメリカに初めてHIVウィルスが入ってきたのはそれよりずっと前の1970,71年の頃、ハイチからニューヨークに渡ってきたらしい。
んで、なんでこのカナダのパイロットが「第一号患者」になったか、というくだりが面白い。80年代の蔓延をLAで調べていた医者が、被験者に付けた符号がそれぞれLA1, LA2...。で、このカナダのパイロットも被験者だったんだけど、LA出身じゃないので"Patient O(utside California)"と命名。これが紛らわしく、ある時医療関係者たちが間違ってゼロと混同したのを聴いたエイズ本著者が、「これはキャッチー!」ということで採用。本の中では彼は"Patient 0"と書かれることに。で、この本が大ヒットしてメディアで取り上げられるうちにPatient 0 = first caseになってしまった、というのが真相。
このPatient 0さん自体はエイズで息を引き取るまで研究に協力を惜しまなかったそうだけれど、「エイズを広めた第一号」という汚名が晴らせてお墓の中で喜んでるんではないかな。